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「……つまり、その理由は?」
「趣味にございます」

演習中に現れた強力な魔物べへモス。
その撃退に貢献したエルは、しかしその年齢故に正式な評価を受けることはなかった。
まぁ、本人もあまり事を大きくしたくないから、別に褒章などはいらないと受け入れた。
ただその才能を王は、危ぶんで、祖父を通じてエルと対面する。
誤算だったのは、エルが本当に趣味まっしぐらに生きていて、割に王様の同類というか似た部分があったというところか。
危うく思っていたくせに、実際話してみたら、気に入ってましたしね。

幻晶騎士を作るために必要なパーツ。
そのうちの一つは、製造法が秘匿されていた。
公に出来ない代わりとして、王直々に褒美を渡そうといわれ、エルはその秘匿技術を要求する。
功績が足りないために、いずれと約束をし、功績の具体的な例を聞く。
「最高の幻晶騎士の筐体」を作り王が満足すれば、中身の炉について教えよう、と。

あぁ、終わったな、と思ったものです。
そんな条件を出されたら、趣味に生きているエルは暴走するに決まっているじゃないですか。
実際に王様とか周囲がびっくりするような速度で、前世の知識も活用して、どんどん改造を施してく。
この世界の思考も停滞していたのか、改造は百年がかりのプロジェクトで行われたりして、現行のものは改良でいる点も減ってきたと思われていた。
がエルはお構いなしにどんどん新型、新機能を作っていく。
ただエルが無双過ぎてなぁ。この世界の技術者たちはそんな頭硬い人ばっかりだったのかなぁ、とは思わないではないですが。そういうモノとして飲み込めれば、この暴走っぷりは笑える。