「いいわ、すべて聞かせてあげる。後悔することになると思うけれど――」
真紅に染まる水平線を背にして、霧葉は最初のひと言を告げる。
それは古城たちに大きな決断を迫る、運命の一日の始まりだった。
新年を迎えようとしている時期。
帰省した妹からの連絡が絶え、心配していたところにひょんなことから情報を獲得して。
そして、心配事を抱えている状態で、獅子王機関との連絡も絶える。
すわ何事かと古城と雪菜は焦りを覚えていくわけですが。
これまで古城は、なんだかんだ言っていろんな人の協力を経て戦っていたんですよね。
獅子王機関やその関係者。那月ちゃん。
後書きにもありましたが、古城は魔族特区から自由に出られない代わりに、ある程度の行動の自由があったわけです。
ただ、そこから外に出ようとしたことで、状況は変化していく。
事件が多発こそしていましたが、ある意味では、その事件を通して第四真祖を取り巻く環境っていうのは安定してきていたと思うんですよね。
手を貸してくれる人もいますし、眷獣を順調に把握していったり、事件を解決することで、知人を増やしていったりと順調にイベントをこなしていた感じ。
それらが一変して、それまで協力してくれていた人に足止めをされ、敵対した相手にアドバイスをもらったりと結構ちぐはぐな状態で話が進んできます。
シリーズが順調に進んでいるから、こういう逆転が面白い演出になるんだとは思うんですが。
新章の序章といった感じが。
そもそも逃亡と言ってるのに島でれてないじゃないですかーみたいな終わり方はちょっとモヤモヤするものが。続刊早く。