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「……俺と一緒に、遊ばないか?」
「は?」
「暇してるんだろ? 遊ぼうぜ」

メインは魔王が魔王になるまでの過去エピソード。
自分でも言っていたように木端悪魔の出だったサタンがいかにして、王となっていったのか。
うどんさんに告解していたシーンでもありましたが彼は何処までも「王」としての心を持っていたから。
なるべくして王となったという感じ。

アルシエルが派手に抵抗していたこと。
カーミオの下にいた時に最初に仲間に加わったのがルシフェルだったこと。
色々と驚く部分もありましたけど。0巻と銘打つのに相応しいエピソードだったんではないかと。

実力が乏しいなりに、工夫をして知恵を巡らせて、戦略を練った。
力こそ全てみたいな風潮があった魔界において、それは単純な戦力差に左右されない、力となる。
けれど、それだけで全てが決まるわけでもなく。
時には敵に押されて、計画が十年単位で遅れることもあったとか。
壮大な志を持っていて、そのために勢力を拡大していった魔王が結構格好良かった。
これは、なるほど。失策を悟った時に、「死なせるわけにはいかない」と思うはずだ。
そしてそれを失ってしまったことを知りながらも、豆腐メンタルな勇者を気遣うこともできると。
有能な王ではあったんですね。最近同僚となった勇者にたじたじ見たいですけど。

あとは、勇者一行の道行。
自然の驚異に晒された都市に救いを求めれ、行動することになるのだが……
それがトカゲとか。まぁ、大量発生して防壁ぶち抜くようなのはトカゲというよりは一種の凶器ですし。
そしてちゃっかり登場しているうどんさんがまた変な個性をつけてたぞ。
エンテイスラでも現代でもうどんさんは食事に凝るというか、一つの食材を愛する人だったのか……
ゆるくて笑えた。
もう一遍、年末から正月にかけて、1巻の少し前のエピソードなんかも書かれていましたよ。