「(前略)一見とるに足らないような釘にも、ちゃんと意味はあるし、価値もある。それはきっと、人も同じなんだって。だから、生きることに手を抜いちゃいけないんだって。それは神さまに与えられた使命だとか、そんな大げさなことじゃなくて、ただ心の持ちようの問題なんですけど……そう考えるとなんだか前向きになれる気がしませんか?」
一気に話が動いた感じがありますね。
1巻の事件の時から暗躍していた、大きな組織の影。
それはじわりじわりと近づいてきているような気配ばかり感じられて、不気味な状態でした。
罠に少しずつ近づいて行っているような、怪しげな感じ。
P121のあたりとか、すごくセシルに逃げてーっていいたかった。
一方で、セシルとジュリアンの交流はもどかしいにもほどがありますね。
セシルは、ジュリアンを微妙に意識しながらも、彼に秘密を持っていることと、婚約者がいて結局は離れないといけないと思っていることが影響してあまり進もうとしませんし。
ジュリアンはその秘密を知っていることが「秘密」となっていて、婚約者という立場を隠している事なんかもひっくるめていつ打ち明けたモノかと迷ってましたし。
ひょんなことからセシルの方の秘密はセシルも、ジュリアンが知っていることを知る状況になるんですが。
秘密がばれて引っ掛かりがなくなったセシルは、明るくなった感じがしていいですね。
お互い大切に思っている感じが出ていて中々楽しんでいたものです。
ただ、それすらもひっくり返すような、ジュリアンの秘密が明らかに。
セシルの隠し事がなくなったと思ったらこれだよ。
少し驚きました。しかしまぁ、本編シリアスなのに、短編がまたいつものテンションで……