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――軽々しく助けを求める人間だったら、少し手を貸してやるだけでいい。
   だけど、もしも、そうでない人間が助けを求めたら、何を敵に回しても見捨てるな―― 


過去の事故により、特殊な身体能力を得た主人公。
窮屈な思いをしながらも現代社会を生きていた。
しかしある日、自宅の倉庫で謎の光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
そこは、魔力増幅装置としての剣とその力が全てと言えるような世界だった。 

力もつ少年が、助け求める少女に呼ばれる。
で、その少年はその世界の常識に縛られない強力な力を持っていた。
まぁテンプレですな。

王道だから、主人公が一度絡まれて力を発揮するとか、少女に言い寄る男が事件を起こして少年を怒らせるとか、イベントもわかりやすい出来となっていますな。
ただまぁ、王道だから面白いっていうのは、加減を間違えると、テンプレで予想できてしまうからつまらないっていう事になってしまうわけでして。
個人的にはこの作品は後者。
テンプレ通りの材料をうまく活用できずに、盛り上がりもオチもちょっと物足りない感じになってしまってる。

主人公の身体能力の礎になっている刀はいったい何なのか。
鞘を持つ少女と、刀を持つ少年。
あからさますぎる気もするんですけど、どうして気付かないのか。
いや、主人公が刀についてよく判っていないからって説もないとは言わないけど、なんかなぁ。
あとは、やたらと祖父の言葉を引っ張ってくるのも微妙。
そうういうのは決め所でびしっというから決まるものだと思うんですけどね。

そして不滅の神域封剣(レグナーレ) (MF文庫J)
真崎まさむね
メディアファクトリー
2013-08-22