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「僕はここでダラダラなまけるだけの生き物になりたい。よそを当たってくれ」


主人公がこんなことを言ってる時点で中々ないといいますか。
夢が「35歳までに貯金を十分蓄え、後は趣味だけに没頭して生きること」っていう素敵さ。

舞台は地球なんですが、伝説の存在となっていた「竜」が世界各地に来襲し、その在り方を変えてしまってます。
対抗手段を持つ魔女と、その契約をプロデュースする少年の話。

主人公は、「竜」に対抗するための手段「まがいものの竜」を創造するための材料をトレジャーハンターのようにどこかの墓からあさってきたり、儀式のフォローをしたりする仕事をしている。
父親の影響で始めた仕事を、それなりにこなして、高校生程度の年齢で世界を股にかけている、と。
結構有能で、自分っていうものをしっかり持っている辺りには好感が持てます。
で、割と開き直っているというか「健全な高校生男子」として振舞うシーンもあったりするんで、ちゃんと血の通った人間のように感じられて良い演出だと思いますね。

竜を倒すために造られた、「まがいものの竜」を創りだす術式。
だが、それにより力を行使できるのは女性だけだった。
これは古来より女性の方がそういう方向に適性があると考えられていたからだとかなんとか。

「カンピオーネ」を書いている作者の新シリーズという事もあり、なかなか面白かったですね。
ヒロインも結構いい感じですし。
ただまぁ、アーシャは腹ペコ・暴走・残念とホント残念な感じですけど。
織姫は、お嬢様でクラスメイトで、快活でこれから魔女になろうとする新人。
まぁ、正統派ヒロインっぽい感じですよね。こういうタイプあまり好きではないんですけど。
春臣が仕事をしに屋敷に行ったときに、流れを切って連れて行くあたりとか、どうにも微妙。

ま、ヒロインの好みはおいておくとして。
本編は、アーシャの要望によって「東京新都」に来た春臣が、色々奔走する話。
上位種の竜に追いかけられたり、迦具土さんから悪魔の契約を持ちかけられたり、変な文字を持たされることになったりと散々な目にあってますな。
その中でも、自分にできることをして、なんとか乗り越えていく様子は結構好きですなー。