人が生きるか死ぬかの境界線は、肉体よりも精神が左右する場合が多い。
死に足を突っ込んだものが、最後に踏ん張り生にしがみつく。それが出来なければ、戦いで生き残ることは出来ない。それがラングの言う『根っこ』だった。
海賊に扮して罠を貼っていた他国の海軍。
その策を見破り、見事クロムたちは勝利を収めるわけですが。
敵地での工作を行う連中が、身元を明らかにするようなものを持っているはずはないですよね。
大本。敵の頭と会談を持つことになり、皇太子や、皇女が出ることに。
当然、クロムも同行してあれこれ画策するわけです。
リュリュという異質な手を借りてる場面があるとはいえ、クロムが優秀過ぎて怖い。
それだけに、エロ本持っているとか、抱き付かれた相手を振りほどかないとか、年相応にそっち方面に興味があるあたりで、なんか人間らしさが出てるようにも思うんですけどね。
呼んでいて思うのは、味方側。グラウスタンディア皇国は、小国だってことですよね。
けれど、戦争をたびたび行っている。そのことについて、皇太子は何か秘密を知っているようですけど。
不利な状況だからこそ、クロムたちの活躍で逆転していくのがドラマになるわけですが。
リジアの十二貴族が大分腐っていたり、今回描かれていた他国の様子からしても、骨肉の争いに発展したりとドロドロしているような状態。
だっていうのに、グラウスタンディアには、タレントが揃いすぎてませんかね。
他国からは警戒されているが、自国の秘密を知りその上で展望を持って行動している皇太子。
自分にできることをしようと行動している皇女。
そのもとで行動していた皇国七聖。クロムが幼少期世話になったラング将軍もそうですけど。
劣勢にあるのはわかっているだろうに、折れる気配がない。
地質学者な七聖は気象学者な兄と、いろいろ気になる現象を観測しているようですし。
この大陸、どこか、というかあちこちおかしいんじゃないか、って思える。
いやまぁ、フィフニス陥れようとしている下種もいるっちゃいるんですけど。このへんは、小国だからこそ、なんだろうか。
それはそれで気になるところですけど。
敵国との会談に乗り出して、のらりくらり交わされるから、証拠を突きつけた。
さぁ、有利に交渉を進められるか……と思ったら、あっさり自白して宣戦布告してくるとか。
リジアも相当頭沸いてるな。いや、あの状況では最善とは言わないまでも次善の手ではあったようですけど……せめて、もうちょっと団結できるようになってから行動起こそうよ、と思わないではない。
単純に数は力なり、でゴリ押しできる地力があるからこその、傲慢なんですかね、このあたり。
敵の動員は合わせて30万に迫ろうかという危機的状況で、クロムがどんな策を見せてくれるのか。
中々楽しめる作品だと思います。積読に埋めてて、ようやく読めた感じなんですけどね!
面白かった。