「なぁメメント。お前、俺がなんでスカラベと呼ばれるか、判るか?」
「? いいえ。それが何か?」
「そうか――だったら俺の勝ちだ」
VRMMOのゲーム「CtG」。
クレイドル・トゥー・ザ・グレイヴ。
限りなくリアルな仮想世界を舞台にした、体感型オンライン・ロールプレイングゲーム。
それぞれの特色を持った10のエリアから構成される、人気のゲーム。
母がこのゲームの開発に関わっていた少年が主人公。
昔からゲーム開発に専念していて、約束が守られたことは少なかった。
母に対して厳しいことを言ったりもした。けれど、母が作るゲームは、つながりとして楽しみにしていた。
だから、遺作となってしまった「CtG」でも、母が開発に関わっただろう時期のクエストの全制覇を目標にゲームにのめり込んでいた。
そして、或る日ゲームの中で一人の少女と出会う。
それがきっかけとなり、かなりレアな「結婚イベント」が発生。
なんでも、各プレイヤーの行動やログからみて相性が最高と判断されたプレイヤーが接触したときにのみ発生っする。イベントを発生させたペアがまだ二桁に満たないらしい、レア中のレアイベント。
少女の同意を得て、そのイベントを実行した事が、全ての始まりだった。
結婚した二人の元に、ゲーム中で唐突に子供が与えられ。
保育用のサポートNPCまで出てきて、ただのゲームとは思えない、ドタバタに巻き込まれていくわけですが。
本編のゲームとか、ハルハとかをめぐるいざこざよりも、美遙と冬風のピリピリした雰囲気の方が印象に残ってます。
流石、玩具堂さん、というようなヒロインの対立構造といいますか、うまくキャラを建ててくるなぁ、という感じで。
幼馴染キャラの冬風は、今回ゲーム側の事情には絡んできませんが、次回以降出てくる流れ。
これで遊が冬風のキャラクターとも結婚イベント発生させると混沌とさせて面白いと思うんだけど、そこまではいかないかなぁ……