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「……センパイ。わたくしたちは勝てますか?」
戌意は答える。
「君が勝ちたいと望むなら」

雰囲気は嫌いじゃないです。
あちこち急いでるから何とも言えない雰囲気があります。
書きたいことに対して、ページ数が足りてないんじゃないか、っていう印象。

キャラの方向転換が早いっていうのも、微妙な感じ。
教えないって言っていた主人公がやっぱり教えるっていいだしたり。
生徒会長が、ファンタズムは危険だから妹にはやらせられないといっていたのに、割と早々に折れて最終的には協力していたり。
読んでいてモヤモヤするところが多かったですかね。
結局主人公は何を考えているのかっていうのがよくわからなかった。
最後、敵に対して容赦しなかった場面は個性が光っていたと思うんですけど。

拡張現実を用いて行う遊戯。「ファンタズム」。
ただこれはただの遊びではなく、結果として死に至る可能性もある危険な競技でもあった。
主人公は、かつて伝説を打ち立てた世代の一人だが、事故で一人の命を奪ってしまい引退。
けれどの昔の姿を知っている少女から、「ファンタズムを教えてくれ」と頼まれて。

よくあるゲーム系の話なのかと思ってましたが、世界設定が中々えげつない。
少子化が進んだから、国の政策によって、ランダムに選出された男女によって計画的に「生産」された彼らに親はいない。
政府の保護下で、人数だけは確保しましたよ、という状態で生きている。
親の愛とかそういった、幼少期に受け取っておきたいものを何も持たず、それゆえに、世に期待せず、自ら命を絶つ若者はもはや珍しいものではなくなっていた。

設定はいいと思うので、次回以降で面白くなってくれることを期待したいものです。