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「それでも 不細工な演奏なんだとしたら それは」
それは今の僕だ
「今のありったけの僕だ」

渡がスターになり損ねちまった、と描いた夢の軌道修正しなきゃと語ってるところから。
公生と渡の関係も中々不思議なところがありますよね。
お互い真逆のタイプに見えるけれど、お互い認め合っている感じがする。

ピアノの音が聞こえなくなり、音が乱れ、心が揺れて。
ついには演奏を中断して、コンクール失格となってしまうわけですが。
それでも。同じように失格になりながらも演奏を再開した「彼女」の姿が見えて。

ヒューマンメトロノームと揶揄された正確無比な演奏。
音が聞こえなくなった時の、荒々しい、泣きじゃくる子供のような演奏。
それらは、これまでも描かれていたものですが。
音楽の自由さを楽しみ、操り人形を脱した、公生自身の演奏。
絵美には「四月の気配がする」と評された音。

どこまで行っても、公生が表現者だなぁ、と。
相座と絵美という二人のライバルに刺激され、かをりの姿に背中を押され。
一歩を踏み出した公生は、初めて予選落ちを経験するわけですが、成長していってるなぁ、という感じが本当に。
公生がピアニストとして再起するためには、この三人の内誰か一人でも欠けていたら戻れなかったんじゃないかと思えます。

結果発表のところで、相座たちと話していますけど、公生が良い表情をするんですよね。
生き生きしている。
コンクールの場所でであった、母親の友人に師事を受けることになり、どんどん表現者として進んでいく。
かをりと出会ったコンクール。そのガラコンサートに招待されて、かをりと公生が練習を行っていってますが。
追いかけている背中が遠くて、最後のセリフがかなり不穏ですね……