GM:「だって、あなたは友達を力のあるなしで選んでるわけじゃないでしょう?」
(略)
「だから、あなたが友達のために力を得たいと思うのなら。まずそれがどういう気持ちから生まれたものなのかを、考えるといいんじゃないかしら」
聖女の遺跡で謎の光に包まれたニーナたち一行。
その結果、ニーナの手から聖印は消え失せ、死んだはずのニーナの姉までも目の前に現れて。
ブランシュは、その死をもって新たな世界を造った。
ニーナのトラウマとなっている争いもなく、聖印もなく、彼女にとっての理想に近い世界。
適応してしまったニーナと違い、インクとスティアは違和感を感じる。
そして、秘密を知るプロテアは、記憶のない演技でもってこの輪の中に加わって。
もう、前回の最後から急展開でしたが、下手したらPvPになりかねないよなぁ、コレ。
「友人のため」という謳い文句であちこちで裏切ったりしてるわけだし。
ブランシュは、友人のために命を落とし、プロテアは友人のためといって嘘を重ねた。
これまでとは違う歪な形で向き合ったり、誤魔化したりしながら、それでも時間は進んでいって。
優しい世界。けど、そんな夢のような場所が永遠に続くはずもなく。
異変が起こり、それによって否応なく変化が求められるわけです。
色々ネタぶっこんでいるのに、思いのほかページが薄かったといいますか。
まぁ、合間にGMたちの裏事情が書かれていて、予想以上にPLたちがクリエイターだったといいますか。
本当はもっと時間がかかるだろうと思っていた展開が、見事なまでにまとめられていて、プロの技を見ました。
これはGM達も白旗上げるわ。
ニーナに理想を押し付けていたスティアは成長して、インクはニーナと歩み寄って。
プロテアは、挫折したのちに再起して。……挫折した後のスティアとのやりとりがひどかったですが(褒めてる)。
ニードだった、ニーナですら、聖印を喪い、友人の勝手な行動に憤り、その結果、信念と向き合い成長していったわけで。
いやぁ、いいものを読ませてもらいました。