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自身の背に護るべき者が、自身の前に倒すべき敵がいるならば。
――至高の称号を抱くものとして、退けない道がある。
クルーエルたちのクラスメイト、エイダ。
活発で槍術部に属している彼女には、名詠学校の生徒という意外にもう一つの顔があって。
名詠は、門を開いて生物を召喚している。
しかし1巻の事件のように、時にそれが暴走することもある。
その為、対応するための技術として、門の向こうに送り返す反唱というものがあって。
それに特化した技術を持つ祓名民の家に生まれた少女。
才能はあった。
そして、挫折を教えるために敢えて苛烈に設定してあった訓練を乗り越えてしまえるぐらいに。
若い少女でありながら、最上の位を与えられる程度には。
だが、それゆえに彼女は迷ってしまっていて。
「分からないわけじゃない。お前がまだ気づかないだけだ」
娘の迷いをしり、涙を見て、送り出した父は何を思っていたのか。
同じような疑問を経て、それでも自分で気づいて、自分で定めた居場所。
願わくば、自ら悟ってほしい、と。……この親父大分不器用ですな。
今回は、クルーエルも前回の事件以来名詠の「調子が良すぎて」ちょっと悩んでいましたが。
全体を通してエイダがメインのお話でした。
ネイトがクラスメイトにからかわれるマスコットのようになっているのを見ると和みます。
そういう場面がありながら、悩みを丁寧に描いていて、絵柄もまたこの作品の雰囲気にあっていて。
読み返していて、あぁ、やっぱり好きだなぁ、と思わずつぶやいてました。
シリーズ感想
『黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで』