「それにミクロにしろマクロにしろ どこにだって憎しみや妬みや争いは溢れてて」
「どんなに人間が科学的進歩を遂げたって 憎しみつづける人たちを見るとがっかりするけど」
「それでもあたしはこの世界を愛してるんだと思う」
「人はゆっくりとでも進化していく生き物だもの その可能性をあたりは信じてるから」
ハルカがようやく朝永に告白。
勢い余ってキスしてからの告白になってましたが。
しっかり面と向かって想いを受けて、それにこたえられていたあたり朝永も成長しましたね。
ここではっきり断っていたからてっきり葵ルートに入ったのかと思ってました。
そういう意味では最後の展開には最初読んだときは驚いたのを覚えてます。
ハルカにとってのやさしい結末となると、まぁ、ああいう形に落ち着くんでしょうが。
けど、結局葵は少し立ち止まっていただけで。
朝永が最初だけ手助けして歩き出したら、自分一人で歩き続けられる強さを持っていたようです。
打ち明けられずにいた自分自身の悩み。
それを盛大に明かして、親にも友人にも理解してくれる人がいて。
そうして走り出していった彼女の軌跡がまぶしい。
小野田先生の過去も明らかに。
結局あの時どうすることが正解だったのだろうか。
傍にいてくれるだけでよかったのに。
たった一つのことで、ずれて離れていってしまった。
どうして別れたのか。「たぶん俺は今でも ずっと探し続けてる」。
そんな彼に踏み込んで、心をかえさせた冬子はかなり根性ありましたね。
それぞれの悩みに、各々が納得できる答えが示されて。
歩き続けていった彼ら彼女らの話もこれにて閉幕となりました。
まぁ、中々いい最終巻だったんじゃないでしょうか。満足です。