耳をすませば 僕は たくさんの音であふれている
僕は一人じゃない
僕らは誰かと出会った瞬間から 一人ではいられないんだ――
ついに、完結。
アニメも見てましたし、待ちきれなくて最後の方は雑誌も追いかけていたので結末はわかっていたんですが。
それでも。なお心に響くものがありました。
いやぁ、いいタイミングでアニメ化したなぁ、といいますか。
アニメが本当に贅沢な構成だったよなぁ、という思いがますます強くなりました。
かをりが倒れた場面に居合わせてしまった公生。
以前のように、ピアノから離れてしまい、コンクール前なのに、沈んでいて。
「音楽は僕の大切な人を連れ去ってゆく」。
そんな思いに縛られて、ピアノを弾くことができず、けれど、また少女に救われる。
コンクール当日に手術することになったかをり。
絵美や相座もしっかりと仕上げてきて。
ピアノから離れて、つぶれそうになっていた公生も、なんとか発表の場所にたって。
頭を抱える場面もあったけれど、どうにか演奏を始めた彼は、格好いい演奏家でした。
読み終えて思ったのは、タイトルにもしっかり意味があったんだ、と。
きっと作者が描きたかった結末にしっかりたどり着けたんじゃないでしょうか。
彼らのその後は気になります。けれど。ここで終わる方が綺麗なんでしょう。
あぁ、いい作品を読んだ、という気持ちが溢れる、記憶に残るシリーズでした。