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「ただし、一つだけ条件がある」
「は、はいっ。なんでも守ります」
「守れそうにない場合は、すぐに放り出す」
「は……、はいっ」
「俺に、お前の墓を掘らせるな」
その言葉に、ノヴィアはかっと胸が熱くなった。そして今度こそ、即答していた。
「はいっ。絶対に!」

カオスレギオンの番外編というか過去編というか。
ジークとノヴィアの出会いから、ノヴィアが従士になっていくエピソード。
母親から万里眼の力を譲り受け、強大な力を使いこなせず、盲目となったノヴィア。
かつての友であった、ノヴィアの母の頼みにより、危地にかけつけたジーク。

「特にあのブランカという馬鹿が傑作だ」
とジークが言うシーンが何となく気に入っています。
ノヴィアが少しずつ、ジークに近づいて行っているのが、いいなぁ、と思いましたが。 

ジークがかつて四人の従士を連れていたこと。
その全てが死に、二人に至っては、ジーク自身の手で切られている。
そうした事情を聴いて尚、ジークについていこうというノヴィアは健気というかなんというか。

あらすじには「無垢な魂と孤独な騎士が出会う時、二人の運命は激しく動き始める!」と書かれていますけど。
まさしくそんな感じですね。
ノヴィアはジークの行動を見て、ジークについていけば、盲目になった眼も開くかもしれない、と考える。
一方のジークはジークで、ノヴィアを大切にしているんですよね。
何も教えないとか、手段は色々間違っていると思いますけど。
そうしてすれ違ったりしながらも、二人が距離を詰めて、しっかりと騎士と従士として信頼関係を作ってるのは中々。
妖精のアリスハートも、ともすれば重くなりそうな空気を引っ掻き回してくれる清涼剤としてはいいですねー。