「比企谷。誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ」
(略)
「いや、別に傷つくってほどのもんでも……」
「……たとえ、君が痛みになれているのだとしてもだ。君が傷つくのを見て、痛ましく思う人間もいることにそろそろ気づくべきだ、君は」
今回は、文化祭です。
文化祭の実行委員をやる羽目になってしまった、八幡。
雪乃との距離感を測り兼ねたまま、どうにも調子がつかめない。
けれど、委員会の会合にいってみれば、その雪乃も参加していて。
二人とも委員長をやるようなキャラじゃないですが、仕事振られれば、しっかりそれを成し遂げるんですよね。
委員長になったのは、八幡のクラスメイト相模という少女。
八幡的視点でいうと、クラスカーストの上位だがトップ集団に加われていない、No.2集団のトップという微妙な位置。
また、彼女が色々と状況をややこしくしてくれているんですよねぇ。
そのしわ寄せが八幡と雪乃に来ていて、おまけに最後に面倒事をより大きくしてくれて、あそこまで行くと一種の才能にすら思える。
由比ヶ浜は、実行委員には参加してませんでした。
彼女なりの成長がみられた、といいますか。八幡も雪乃も面倒な奴らだから、彼女なりに付き合い方を決めたようで。
こちらに近づこうとしている雪乃は待つことにした、と。
「でも、待っててもどうしようもない人は待たない」
(略)
「違うよ。待たないで、……こっちから行くの」
という言葉に、八幡も衝撃を受けてましたね。中々ここまで思い切って、宣言してくれる相手ってのはいないと思いますが。
葉山が八幡のやり方を見て「どうしてそんなやり方しかできないんだ」と零していましたが。
どうして彼はあぁいうことしか出来ないんだろう。結果は出ている。ベストではなくともベターな位置には持って行けただろう。
けど、それを見ていた周囲はどう思ったのか。本人は納得ずくでも、変化した評価を聞いた周囲は。
静先生の言っていた通り「君が傷つくのをみて痛ましく思う人間もいる」という話で。
奉仕部の面々が、変わらずにいてくれるのが、唯一の救いでしょうか。