「だから、良いんです。現実の役に立たないからいいんですよ。ゲームというのは、くだらなくてナンボです」
「……その心は?」
(略)
「実利があったら遊びじゃなくなりますから。生活やプライドを外に確保して、その上の『どうでもいい部分』だけを使ってこそ、純粋な遊戯です」
前回冬風が、遊を見事に刺激してくれて。
最後には新キャラ登場で、状況がさらに掻き回されるのかなぁ、と楽しみにしていたんですが。
……確かに掻き回していってはくれましたが。
美遥が思ったよりも挽回できなかったといいますか、冬風と遊の関係が強固すぎてびくともしませんな。
二人で連携してタイミングがシビアなバグ技を使って相手を嵌めたりしてますし。
打ちあわせなしでそれができるとか、本当反則だろう……
結構気に入っていたシリーズだったのですが、ここで完結になってしまうようで。
後書きで描かれていましたが、大きな問題は解決していません。
けど、結局前回の「泣き方を想いだした」って言うのが一番のポイントだったんですかね。
主人公は彼で、世界は救うわけでもなく、彼なりの理由で日々を過ごしていく話だった、と。
だからここで終わるというような事が書かれていましたが……うーん、やっぱり惜しい。
前回最後に登場した、ハルハの本当の母親。
遊が彼女に対しては随分と厳しい態度をとっていたのが印象的です。
2巻で、色々と思いだしたことがあったから、成長できたんですかねぇ。
ハルハの事情だったり、遊の抱えていたものだったりは、とりあえずの説明がされた感じではありますかね。
恋愛模様に決着がつかなかったのは少し残念ではありますが。
次回作も完全に未定ということで、先が読めませんが、何か出る様だったら買います。