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「男も女も命の重さには変わりないんじゃないかな?」
「……そういうセリフは、ふつうはもっと人道的な話題の時に使うものじゃありませんかね?」


あれー、なんかラブコメの香りがしますよ……?
1巻読んだときは、そっち方向には発展しないだろうなぁ、と思っていたのに。
ヴァレリアとディーが互いに距離を取ってぎくしゃくしている、という描かれ方は結構よかったんじゃないでしょうか。
ただ、この作品で言い続けてますが、ディーは好きなんですが、ヴァレリア苦手で……
恋愛色がそっちに向かうと、ちょっとなぁ……

だって、ヴァレリアあちこち酷いじゃないですか。ぐぬぬがコンセプトとはいえ。
今回もまた凄い失態しますしね。
最近まともになって来たかなぁ、と思ってきたところだったのに。
状況が状況で、ちょっと不安定になっていたとはいえ、下手打ったなぁ、という感じで。
本当にどうしてカリンが首席じゃなかったのかと。
アーマッドは神巫を働かせるなら、その辺の事情についても呑み込ませる教育した方がいいと思います! 
安定・安心のカリンの活躍を待ちたい。
ヴァレリアの言動は読んでいてひやひやするので。

しかし、1巻ごとのクオリティは高いと思うんですけど、どんどん風呂敷広がっている感じはしますよね。
あちこちで断片だけ描かれている、ネレイダの行動原理とかが結局よく判らないというか。
なんか秘密持っているみたいですし、ダンテとかと接触するとか色々動いてはいるみたいですがねー。
ディー達と間接的にしか関与していないから、そろそろ対面してもいいんじゃないかなーとか。

他にも気になっているのは、いくつかありますけどね。
前回逃げた、変態の姉の思惑もそうですけど。神話に関する考察もまた気がかりではありますか。
少し前にダメダメだったのに最後逆転とまでは言わないでも、なんか剣とか回収していた王子もいましたし。
そこの国に関して言えば偽りの神巫もいましたよね。逃げ延びてるだろうけど、再登場はいつだろうか。

アーマッドだけじゃなくて、それぞれの国の考えが入り乱れているのは結構凄いと思いますけどね。
イサークはイサークで食えない皇太子で、味方にしてると心強い面はありますが、今回ディーにやらせた任務とかも合わせると、しっかり黒いしなぁ。

しかし、振り返ると割とあちこちで撃ち漏らしているといいますか。
ディーと戦った相手は結構死んだりしてますけど、立場ある手前、監禁とかで済んでるんですよね…
ダンテとかもそうですけど。それがのちのちの禍の芽になってるみたいですけど、どーなることやら。

黒鋼の魔紋修復士8 (ファミ通文庫)
嬉野秋彦
エンターブレイン
2013-12-26