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「マーリン! アンタは……アンタは何でこの子に『自重』を教えなかったのさぁ!!」
「確かに……」
「これはちょっと非道いですな……」


小説家になろう発の、異世界転生もの。
転生した先でも赤ん坊のころに家族を亡くし、「賢者」と謳われるマーリンに拾われる。
そして彼に孫として育てられ、賢者の知人に鍛えられ。
更には現代で得た知識も活用して、特訓に特訓を重ねた果て。
主人公のシンは、賢者ですら目を疑うような隔絶した実力を身に着けていた。
というか、通信設備もまだ発展していない世界で、空間転移の魔術を開発してしまっている時点で色々と間違っている。

賢者も、孫がどんどん吸収していくのが楽しくて、うれしくて、魔術ばっかり教えていて。
結果として、常識とかすっ飛ばして魔術特化の『賢者の孫』が完成する、と。
あっさり一人で城落とせそうですな。
ま、自重という言葉はないけれど、困っている人を助けたり、実力があるのだから危険に立ち向かったり出来る好感の持てる少年です。

さすがに、常識も何もない状態で世間には出せない、と学校に通うことに。
……もうちょっと早く誰か思い出してあげればよかったんじゃないかなぁ。
賢者自身も自重を知らない性格だから、無理か。
そして学校で、皇子と出会ったり、友人ができたりと、順調にイベントこなしていますね。
「小説家になろう」の異世界転生ものとして王道の展開で、かなり読みやすい感じでまとまっています。

賢者の孫 常識破りの新入生 (ファミ通文庫)
吉岡 剛
KADOKAWA/エンターブレイン
2015-07-30