『小娘、お前』
「ううん、わたしネイト信じてるよ。でもそれとは別に伝えたいことがあるの。信じているからこそ伝えたい事って、きっとあると思うから」
シャオたちの伏せていた札が明かされていく巻。
それはつまり、ネイトたちに望まぬ真実が突きつけられるシーンでもあるわけで。
絶対の悪でもない部分があるのが、悲しいところ、というべきか。
今回注目するべきは、やっぱり「セラの庭園」でしょうねー。
ここでシャオがしっかり「穢歌の庭」を別名にあげているんですよね。
他にも「赤き実のなる大樹」と「夢見る星々の都」とか、細音啓ワールドのつながりが見られるのがいいなぁ。
シャオはどうして、これらの異名を知っていたんだろう。
ミクヴェクス関連で得た知識なんだろうか。
ネイト、エイダ、レフィス。
それぞれシャオの仲間に足止めされて、揺さぶられてますけど。
クルーエル大事で、そのために動けるネイトは、幼いながらも立派に主人公してます。
……まぁ、個人的に一番の見どころは、ネシリスとファウマの決闘なんですけど。
本質が戦いにないといいながらも、覇者として君臨しているネシリスの力は凄まじいですねぇ。
それを破るファウマが、名詠の方法も含めて危うく見えて仕方ないですけど。
勝負に負けようと、目的を果たすあたり、ネシリスが大技ばかりでないって言うのもいい感じ。
頼りになる援軍が駆けつけてくれたようで、何とかなるかも、という雰囲気ですが。
最後クラスメイトが不安を感じているようで、なんともハラハラする終わり方ですなー。
シリーズ感想
『黄昏色の詠使い イヴは夜明けに微笑んで』
『黄昏色の詠使いⅡ 奏でる少女の道行きは』
『黄昏色の詠使いⅢ アマデウスの詩、謳え敗者の王』
『黄昏色の詠使いⅣ 踊る世界、イヴの調律』
『黄昏色の詠使いⅤ 全ての歌を夢見る子供たち』
『黄昏色の詠使いⅥ そしてシャオの福音来たり』
『黄昏色の詠使いⅦ 新約の扉、汝ミクヴァの洗礼よ』