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『悩み多し異才を持つ少年少女に告げる。
 その才能を試すことを望むのならば、
 己の家族を、友人を、財産を、世界のすべてを捨て、
 我らの〝箱庭”に来られたし』


こりゃいいや、と読了後思わずつぶやきました。
面白かったです。修羅神仏の属する箱庭という世界。
そこで行われるギフトゲームのために招かれた、「問題児」たちの活動を描く物語。
招かれた三人ともが、チートじみた能力持ってて、一人でも十分主人公出来そうな感じです。
それが一つのチームに三人。だが、それがいい。
まぁ、そのチートじみた能力も原石なので、これから磨かれていく感じですけどね。

ほとんどすべての動物(幻獣も含む)と言葉を交わし、交流によって能力の一部を得る、春日部耀。
霊格の劣る相手に口にした行動を強制させる威光の持ち主、久遠飛鳥。
そして、石を第三宇宙速度で投げたり、種族的に格上の存在を圧倒したり、敵の能力を打ち砕いたりと、一言で何ができるって言えない、破格のスペックを持つ逆廻十六夜。

会話のやりとりも、個人的には結構ツボですね。
ウサギと三人の漫才じみた会話の息の合い方もいい感じ。
ちょっと1巻にしては急いだ感もしますが、十分楽しめました。
しかし、黒ウサギは誰から、問題児たちを召喚するギフトをもらったのだろうか。
主催者の言葉が一瞬有るけど、白夜叉ではなさそうな。
これだけの能力を持った存在を召喚するとなると、相応の能力が求められますよね。

箱庭の世界では、、誰もがコミュニティに所属しないといけない。
まぁ、一部の能力持った存在たちは、箱庭の外に出て自分たちの国を作ったりもしているようですが。
さておき、基本的にコミュニティは所属するべき場所。
そのコミュニティを作るためには、対外的に名乗る「名前」と掲げる「旗印」が必要になる。
十六夜たちを呼んだ黒ウサギの所属するコミュニティは、しかしその誇りともいうべき、「名前」も「旗印」も箱庭の災厄、「魔王」という存在に奪われていた。
そのためその他大勢という蔑称である「ノーネーム」と呼ばれている。
これ以上ないほど崖っぷちですが、三人はそれぞれの判断で、ノーネームに属することに。

この1巻で魔王配下のコミュニティに属する下種な敵を倒し、階層支配者である白夜叉に試され、そのうえで、格上のコミュニティのゲームを簡単に攻略してしまう。
いや、簡単にとはいっても一応作戦たてたりはしてますけどね。
イベントが次々展開していって駆け足かなーとも思いますが、慣れると面白い。

これでもかってぐらい設定を盛っているんですが、それがうまく作用している例ですかねー。
個人的にはすごく楽しみましたよ。