「悪いけど、何も始まらないわ」
(略)
「私とレンで、終わらせるんだから」
救務庁の作戦に合わせて、エリアに侵入した二人。
けれど、大々的に謳われたその計画は、そうやって焦る侵入者を釣り出す目的も兼ねていたようで。
ただひたすら愚直に、失った家族を、幼馴染を取り返すために戦っている二人は少数派で。
時間が経っていることもあり、エリアを下手に刺激しない方向に動きは向かっていて。
そんな状態でも、色々と派閥は出来たり、別の勢力の思惑が絡んだりしてくるので厄介というか。
叶方の正体がバレて、救務庁の目的がわかって、本当に味方がいないという状況で。
それでもあきらめられないから戦い続けて。
あとは、なんだかんだ弟の為に動いている蓮次の兄貴がいいですね。
彼が主人公でも成立したような気がしますけど。
ただやっぱり妹とか、幼馴染の妹とか、微妙にノイズになっているような気がするんですが、今後に影響するんだろうか。
かなり綱渡りで、何か選択を間違えていたら多分どちらかが、あるいは二人とも死んでいておかしくなかった。
けれど彼らは生き残り、ハーメルンを打倒した。
彼ら自身の目的は果たされなかったものの、スタートラインが0だったのに、そこから一歩前に進むことができた。
絶望の中に見つけた希望ほど甘く、そして厄介なものは無いと思うんですけど。
さて、ここで終わるのも一つの形ではあるような感じですけど、続きって出るのだろうか。なんか微妙な空気が漂っている気がするんですが。