ico_grade6_4h
「もう一度言うわ。私が勝者で、君が敗者。この喧嘩は君が売って、私が買ったもの。攻略者が出た以上、君は主催者として勝者を讃える義務がある。それができない人間はそもそも主催者なんかをやるべきじゃない」

幻獣が多く住まう、箱庭の南。
そこに拠点を持つ、「龍角を持つ鷲獅子(ドラコ・グライフ)連盟」からジンたちノーネームに招待状が。
主力が全員本拠地を留守にはできない。
だったら、誰が何日参加できるかをゲームで決めよう、と問題児たちは競争をすることに。 
東側のノーネーム本拠は世界の果てに隣接していることもあって、あまり発展の余地がないそうですが。

前回描かれた、北側と今回訪れた南側。
箱庭世界の雄大さを表現する、全く異なる文化と、そこで発展したコミュニティの賑わい。
これだけのものを描きながら、箱庭の下層でしかないっていうのは驚きですよね。
上層にはいったいどんな化け物がいたり、賑わいがあるんでしょうか。
逆に強大すぎる力ゆえに、閑散としてたりするのかなー、とも思うんですが。
黒ウサギの「月の兎」の本拠はもとは上層にあったということですし、一応上層にも普通に生活してる存在と、文化って作られてるはず。

ラビットイーターのくだりが愉快です。ウサギ、相変わらずのからかわれ属性……。
耀の葛藤が、もどかしいですね。
動物だけが友達で、この箱庭に友達を作りに来たといってましたか。
十六夜と飛鳥のことをまぶしく思って、自分を卑下してしまっている。
なんのかんので問題児というか、ノーネームの主力、チートの一角として自信をもってもらいたいものですが。
……どうしたって、隣の畑は青く見えるものですし。

十六夜がぶれないから、ほかの二人に能力面とか精神面とかで成長してもらう展開っていうのは必要か。
まぁ、そういう裏を読まなくても、こういう場面が描かれているのはいいなーと思うわけですよ。
問題児3人は、かなり息がぴったりあっている面々なんですよね。
黒ウサギからかうときとか、悪戯するときとか。
一方で、決して寄りかかっているわけでも、べたついているわけでもなく、関係としてはあっさりしている面もありますよね。
そもそも、この3人は箱庭に召喚されてからの付き合いなわけで。
そう考えれば、悪戯の時とかにあそこまで息会っているほうが驚きといいますか。
こういう微妙な距離感とか付き合い方に悩めるのも今のうちと思えば、葛藤もよいものではないかと。

全く別件で気になっているのは、耀のギフト「生命の樹」がメインですが。
「ノーフォーマー」って使われてるんだろうか。どうなんだろう。
ギフトカードにしっかり記されていたってことは何かしらの効果があるはずですけど。
「生命の樹」と一対の能力だったりするのか、それとも耀自身の素質だったりするのか。
よくわからないんですよね。

そして、十六夜の過去話。
金糸雀さん、だいぶいい性格していますね。
十六夜が今の性格になったのは、多分に金糸雀の影響があったからこそ。
なるほど、あれだけの能力があって、快楽主義者自称しながら、知恵が回り、知識がある。
かなり特殊というか、盛るにもほどがあるという感じですが、その理由がしっかり設定されていたのはいいですねー。
そして、ある因縁もあっただけに、喪われてしまったのが悔やまれます。
かつての仲間の行方。この問題に対して、どう答えを出してくれるのでしょうか。 
仲間の問題だけではなく、南を昔荒らした魔王の一派が襲撃してきて、ノーネームの行く先事件有りっていう看板を「魔王退治のコミュニティ」って看板の横に建ててもいいんじゃないかな……