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「春日部が言った通り、お前は何も間違っちゃいない。そして春日部も間違っちゃいない……だが俺が支持するのは、後者一択だ。自己犠牲の出来る聖者よりも、物分かりの悪い勇者を助けるほうが一〇〇倍好ましいね」
(略)
「悲劇になりきれねえのなら、俺がこの手で喜劇に変えてやる。――だから覚悟しろ。俺たちは巨竜を倒して――完膚なきまでに救ってやるからな」
 
表紙にいる通り、さらわれたレティシアと、始まってしまった「切り離されていたゲーム」がメイン。
ただ、それだけじゃ終わらない。前回襲撃をかけていた巨人だって、その裏にいる黒幕たちだって、手を打ってきます。
巨竜が現れ、巨人も襲撃してきて、アンダーウッド終わったな……って感じですけど。
身内さらわれて黙っている「ノーネーム」じゃありませんよね。

レティシアの過去が明かされましたが、また壮絶でしたね……
あそこまで追い込まれたら、そりゃあ鬼畜ゲームを発動したくもなるか。
しれっとグリムグリモワールの人が描かれてましたね。
魔王であったし、あんな悪辣なゲーム設定ができるあたり、容赦もない。
ただ、それでもレティシアに説教かまして選択肢を与えたっていうのは、あの状況ではレティシアとしてはありがたいことだったんじゃないかと。
何もできずに朽ちるのではなく、せめて一矢報いることができたわけですし
一矢報いる、というにはかなり過激でしたけど。
あそこでゲームを始めたからこそ、レティシアが今ノーネームにいるんですしねー。

しかし……箱庭世界の住人の寿命とかってどうなっているんですかね。
黒ウサギなんて200年守った貞操が……とか言ってますし。
レティシアも、魔王ドラキュラは何百年も前に討たれたみたいなこと言っていたような気がしますし。
修羅神仏はまぁ、さておき。この二人、貴種とか鬼種だったりするからですかねー。
不老とか長命になるギフトってのも存在してるんだろうか。

冒頭では、耀の過去について触れられていましたね。
父親からギフトを授かるまでは病院で寝たきりだったとか。
で、その父親、なんか鷲獅子と喧嘩したとか、確実に箱庭に来てるじゃないですか……
耀を迎えに来るという約束をしていたそうですが、果たされることはなかった。
どうも、ノーネーム関係者だったようで、消息不明組に入っていますが。

耀が案外、知略もいけるっていうのは、ちょっと驚きでした。
今回は、少し読み違えていましたけど、このまま磨いていけばかなりゲームメイクがうまくなるんじゃないだろうか。
今のところ問題児3人の中でも十六夜が一強過ぎるからなー。
こんな感じで、耀たちにも頑張って、三人並んで活躍してほしいものです。
ただ、耀も飛鳥も、今回のゲームを通じて、自分たちのギフトの新しい可能性を見つけてましたよね。
可能性というか、使い方というか。本質を見つけたというか。
人類最高クラスという謳い文句に偽りなし。
どんどん発展させて、使いこなしていってほしいですねー。