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「僕たち書籍商はすべてを見られるとは最初から思っていないんです。失われいくなにかを必死につなぎ止めるのがせいぜいなんです。だから、誰も見たことのない新しい書物、それこそ、著者でさえ未だ書いていない書物を見たいと考えるのは、傲慢でしかありません。そういう特権は」
小さい、咳払い。
「また、別の誰かのものです」
クースラたちがたどり着いたのはかつて太陽の召喚によって滅びたと言われるアッバスの街。
伝承にある滅びた街は別に有り、そこに似せて作り同じ名前を付けた場所ではあるようですが。
叡智のかけらは残されていて。
道中で見つけたコレド・アブレアのメッセージ。
そして、彼と過去につながりがあったフィルという書籍商……『少女は書架の海で眠る』で出てきた彼がついに本編に登場。
ただ純粋なままの少年としてではなく、経験を重ねた商人でありながらも夢を忘れていない彼の姿が見られたのは、うれしかったですねぇ。
気になるのは、『書架の海』で出会った少女は今はどうしているのか、という点ですが。せっかくフィルが登場したんだから、彼女も出てくると個人的にはすごくうれしい。
前回の街は、他人の騒動に首を突っ込んだ形でしたが。
今度はまた彼ら自身が踊らされる立場に。あの錬金術師どもは窮地に立ちすぎじゃなかろうか。
彼らが発見する知恵が、魅力的なものだからそれを得ようと周囲が画策するのもわからないではないですが。
密偵たちの支援を得ながら、答えに辿り着き、掌を還されて。
けれどその程度で折れて倒れる程度だったら、クースラたちはここまで生き残っていないわけで。
追い詰められたときの閃きはさすがというか。
一時的に危機は脱しましたが、騎士団側の問題が解決したわけでもない以上、なにかしら接触があるかもしれず。また「太陽の召喚」の答えも不完全な者なため、クースラたちは足を止めず次の目的地へ。
帯曰く佳境らしいので、ぼちぼちシリーズも終わりですかねぇ……
