ico_grade6_4
「――おまえら」
そう言ったときには、バルトゥータスはロックたちに再び背を向けていた。
「やつは俺がもらう」


バルトゥータスとロックの師弟対決。
短いながらになかなかの密度だったと思います。
ロックも強くなっていたけど、バルトゥータスもまた強かった。
帯からして「バルトゥータスVS魔王バロール」ですし、もうこれ主人公バルトゥータスでいいんじゃない、みたいな感じもあちこちにありましたが。

さておき、最終決戦。
これほど、まっすぐにラスボスを体現した敵というのも珍しい。
容赦なく与えられる死の魔眼、巨大な体躯、圧倒的なまでの戦闘力。
そしてそんなラスボスに対して同じようにまっすぐぶつかっている主人公たちがまぶしい。

ドゥガルドの最期なんて壮絶でしたけど、その顔に最後笑みを浮かべたというのがまた。
魔王に一度破れ、生き延びたのち、呪いを刺青で抑え込んだ状態でなお戦いに臨んだ男の姿というのが、これ以上ないほど、まぶしい。
ファーディアにも活躍の場所があったのはいいですね。
剣と術を両方扱える彼ならではの援護がありましたし、戦場にも駆けつけて活躍をしていました。

ロックだって、ホルプと協力して攻め続け、魔鋼を用いた技でもって、魔王に傷を負わせますし。
他のメンバーだって、活躍していないわけじゃないです。
でも、やっぱり今回の主役はバルトゥータスだったなぁ、としか。

今回もう一人のメインが誰かといえば、ロックではなく、リャナンシーになるのかな。
リャナンシーは、自分の思惑を持っているようだっていうのはうすうす感じていましたが。
彼女の過去、考えていたこと、過ごした時間。
そうしたものが描かれていくにつれて、リャナンシーっていうキャラが結構好きになってきましたねー。

見事魔王を討ち果たしたと思ったら、魔鋼も残さず消えたのかとか思われていたケンコスが暗躍。
因縁が続き、第三部に突入ということに。
バルトゥータスたち師匠組は、魔王を倒したこともあり、名誉職など与えられて注目される存在に。
こうなるとあまり自由に身動きもできないでしょうから、本当にロックたちの物語に移っていくんですかね。
しかし、あのメンバー的に一人抜けがあるというのはなかなか大変そうですけど、さて、どうするのかな。