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「そうだ。どこまでも孤独で、どこまでも暗い『夜』の世界に、心なんてものは必要ない。必要なのは、『嘘』だけだ」
「全てを欺け、少年」


今回は、タイトルからしてわかるように、カノのエピソードですね。
表紙、マリーとセトですけど。
章も、直球で夜咄ディセイブ0~5。
間に挟む感じで、0と1の間に「或る日の屋上にて」、4と5の間に「或る日の路上にて」。
エピローグみたいな位置に「今日という日の路上にて」。

カノとキドとセトがであった過去のエピソードが語られています。
孤児院で、『目』の能力があったがゆえに、孤立していた話。
カノは欺く能力を使いこなしていたけど、キドとセトはまだ使いこなせていなかった。
そうしたエピソードに加えて、アヤノとこの3人の交流も描かれています。

飄々としながらも、結構重いものを背負っていたらしいカノはいいキャラだなぁ、と思います。
能力を使いこなしていた故に、また欺く力が有用であるゆえに、黒幕らしき「先生」にいいようにつかわれている場面もあったようですけど。

途中から断章というか、時間的に飛び飛びになって話が進んでいくのでその間で何があったのかが気になりますかね。
明らかになったものがある一方で謎が深まった印象ではある。
カノはどうしてアヤノのふりをして学校に行っていた時期があるんだろうか。
「死体のふり」をして「自殺」として処理されたなら、別に生きてるように装う必要もないだろうに。
楽曲「ロスタイムメモリー」では、シンタローがアヤノの落ちる場面を見てましたが。
赤い「目」のアヤノも出てきますし、その辺の誤差ってことになるんだろうか。
わからないこと多いですね。シンタローとアヤノについては、オリジナル入った漫画の方で触れられていくんですかね。

カゲロウデイズV -the deceiving- (KCG文庫)
じん(自然の敵P)
KADOKAWA/エンターブレイン
2014-03-29