「わかった。どちらか一方なんて、無理だったんだ。そんなのは設問が間違えていたんだ。目指すべき価値のない答えは目指すことができない。少なくとも、僕には無理だ。でも望んだゴール(わがまま)なら攻略する事が出来る」
ロエ2からの手紙を受け取り、シロエはまたしても悩みの中にいた。
供贄の黄金によって、円卓会議の財政問題はひとまず解決したものの。
その問題が解決してしまったことによって、浮き彫りになった新たな課題が。
富める者と貧しい者の差が拡大してしまっている、という事。
円卓の一員、アインスは富の分配を行うことで対処するべきだ、と訴えますが他のマスターたちには響かず。
シロエもその問題は認識しているものの、それを実施した際に生じる問題もあるため、即座に手を打てる状況ではなく。
「そのとおりだ。強引な決定は、この脆いアキバの街を壊してしまう。しかし、時間をかけても壊れてしまうかもしれないのだ」
アインスが葛藤を抱えていますが、彼の焦りは分からないではないです。
ただ、シロエの言う通り、アインスの方法ではアキバが壊れる。けれど……と、悩みの中で、新たな敵が現れて。
ロエ2の手紙から、月と連絡を取る方法を模索していたシロエ達ですが。
それに使えそうな施設に敵が陣取り、ダンジョン化させて。攻略のために突撃したものの、シロエが迷っていたこともあり、遅々として進まず。
……その分、覚悟を決めてからの行動は迅速でしたが。これが通常営業だった茶会は騒がしくも楽しい場所だったことやら。
長くこの世界にいることで、大地人たちとのつながりも深くなり。
それゆえに、西と東の戦争につながりそうな緊迫した空気もあって。
アイザックやカラシンがセルジアット公と交流していたりというイベントも盛り込まれていて。
この後は、姿を消したクラスティと彼女の話になるようですけど。あのチームが日本サーバーに辿り着いた時、どんなお祭り騒ぎになるのやら。怖いような楽しみなような。