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「それはそれ、背に腹は代えられない、ってことも確かにあるけどさ……教わるには、教わる相手にふさわしいレベルがないと、お互いに不幸だって思うのよ。まっ、一番の不幸は、教える側が教えられる側のレベルについていけないことなんだけどね」


優劣というのは、その判断する基準によって判断が分かれる。
学校の成績が悪いからと言って弱いとは限らない。
そんな一風変わったキャラが多い作品。
そう言ったギャップみたいな要素は好きです。

まず最初に前回の剣道部・剣術部の騒動の報告をしている場面から。
部活動連合の会頭、十文字という新キャラが登場。
またしても数字付、十氏族の一角をなす家の次期党首。
この学年、本当に優秀な人材が集まっているんだなぁ、という感じですが。

達也と深雪が、置かれている状況的に、あまり有名になりたくないはずだろうに。
キャストジャミングの応用技術の話とか、求められたら答えているあたりが何とも言えない部分はありますけどね。
風紀委員としても仕事をしっかりしているようですし。
「魔法を使わず、並み居る魔法競技者を連破した謎の一年生」という名目であっさり有名になってますし。
それでいいのか。

そして、二人の新入生を取り巻く環境は、少しずつ熱を帯びていく。
一科と二科の間にある感情の溝。それを利用して、暗躍していた組織『ブランシュ』。
学生の身分でありながら、叩き潰しに行ってしまうあたりなんだかなぁ、と思いますけど。
それを許容して、ついていく先輩がいるくらいだから問題ないのか。

1巻でも読みましたけど、癖がある文章ではあるかなぁ、と思います。
ただ、その分、文章の勢いに乗れれば楽しめる作品。
個人的には、十分楽しみましたよ。面白かった。

魔法科高校の劣等生〈2〉入学編(下) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキー・メディアワークス
2011-08-10