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「まっ、現時点では俺より奴の方が強い。それは認めるさ。だが、アイツがいくら、詐欺みたいに強いからって、負けっ放しにしとくつもりは無しだ。腕を磨いて磨いて磨き抜いて、次に立ち会うときは勝ってやる。今、劣ってるからって、諦めちまったら、負けたままだからな。
 今までの二科の連中は、過去に劣ってたからって、今をあきらめていた。だから強くなれなかったし、そんな奴等なら対等と認めてやる必要もなかった。だが、強くなろうろして、実際に強くなったやるなら逆に、バカにする理由はないだろうさ」


この本読むと、「劣等生」の定義があやふやになりそうですね…。
そこがこの本の売りで、笑えるところなんですけど。
主人公が、色々と器用なんだよなぁ。シスコンぶりが過熱してた気がします。
同時にブラコンも重度だなぁ、と実感できるようになってくるわけなんですが。

というわけで、劣等生の中でも1、2を争うぐらい気に入っているエピソード、九校戦編です。
これぐらいのさじ加減の方が楽しめると思うんですがねぇ。
最新刊あたりになってくると大人たちの陰謀が増えてきて、さらに複雑になってくるので。

全国に九つある、魔法科高校。
教員の不足によって、九つしか運営できていないのが現状。
優秀な魔法師を育成するために、学校同士で競争させる。
そのための舞台として用意された、全国魔法科高校親善魔法競技大会、通称・九校戦。
ま、要するに魔法を使った大会で、学校同士が競う、とそういうわけですね。

競技における向き不向きや、魔法の選択などすべて生徒たちが工夫して、大会に臨む。
大会で規定があるのは、CADのハードの性能のみで、ソフト面は自由自在。
威力が高すぎる魔法とか、危険なものについてもレギュレーションが設定されていますけども。
なので、選手だけではなく、ソフトを調整するエンジニアも重要になってくる。
選手としては傑出した人材がいるが、エンジニアが不足していて、会長である真由美は悩みます。
あずさや深雪の言動、真由美と摩利に捕まったことにより、達也がエンジニアとして参加することに。

一方で、九校戦の裏側で暗躍している人もいたりするようで。
達也たちの通う一校では、三連覇がかかる大事な年。
今回は、三年生たちが活躍する、本戦の様子が描かれています。
ハプニングがあったりと、ちょっときな臭くはありますが。
手を出したタイミングが悪かったな、というか。
どうせ達也に潰されるのに・・・と、はたから見ているとひやひやします。
まぁ、後ろ暗い人たちなので、最終的に痛い目見ようが自動自得ですが。

魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)
佐島 勤
アスキーメディアワークス
2011-11-10