「ええ去年の秋に生徒会長になって、最初の半年もそれなりに充溢していたけど、この半年は私にとって本当に充実した時間だったから」
そして達也へ眼差しを移す。
「そして、それはきっと、二人のおかげだから」
「……過大評価だと思いますが」
まぁ、タイトル通り短編集ですよ、っと。
主人公含むいつものメンバーが海に行ったり、いつもと違うキャラたちが活躍したりするお話。
俺は結構脇役の掘り下げも楽しみましたが。
いつもと違った見え方しますし。
雫に招待され、達也たちが海に行く話「夏の休日」。
色々と鬱屈した心境になっていた森崎の過ごした一日とある出会いを描く「優等生の課外授業」。
九校戦で少し出てた明智が友人と遊園地に言ったら面倒事がやってくる「アメリア・イン・ワンダーランド」。
一条たち三校の主力・参謀二人の交流を描く「友情と信頼とロリコン疑惑」。
達也と深雪が買い物に出かけて、はたから見たらデートみたいな一日を過ごす話「メモリーズ・オブ・サマー」。
そして、本編にもかかわる、生徒会長選挙のエピソードを描く「会長選挙と女王さま」。
夏の休日では、深雪のブラコンが重度であると改めて明らかになったりします。
ほのかが一歩踏み込んで、それに達也が、自分の情動に関する情報を打ち明けて、と。
いつもの面々ではありますけど、少しずつ距離が変化してきてますよね。
しかし達也は、うっかり傷だらけの体を表に出すとか、気を抜きすぎなんじゃないか。
森崎とエイミィを主人公としている話は、サブのキャラクターもいろいろと背景考えてあるんだなぁ、といいますか。
森崎のであった少女っていうのは、なんか影響を与えてくるんですかねぇ。
一方のエイミィも、なんか家の事情からは逃れられないみたいですし。
魔法師っていうのは本当に学生の内からでも大変そうですね。
達也たちは、ちょっと事情山盛りすぎるように思いますが。十師族なんてあんなもんか。
三校の二人のエピソードは、二人の信頼関係が分かってよかったんじゃないですかね。
九校戦後、どうしたって達也を意識している二人。
来年に向けて特訓をしたり、シミュレーションゲームで状況判断力を鍛えようとしたりと努力している。
随分まっとうに、健全に、学生をやっているなぁ、という感じ。
いや、一条の方は義勇兵で参加して、戦闘の経験やらいろいろ積んでいるから、健全といっても暗部を知らないわけじゃないんですがね。
「メモリーズ・オブ・サマー」は・・・すばらしい「日常」ですね、といいますか。
服を買いに行ったら、店員に値段勉強するから、服着て帰って宣伝してくれないかと頼まれたり。
行った先の店で、こじらせた感じの芸能人に絡まれたり。
そのうえ最後には銀行強盗に遭遇したりしてますけど・・・
まぁ、この二人からすれば、どれもとるに足らない出来事ではあるんですよね、確かに。
「会長選挙と女王さま」も笑えましたかね。
真由美が引退し、次期生徒会長を決める時期が近付いてきた。
服部とあずさが有力候補だが、服部は部活連に行くため、あずさは自分の性格ゆえに、乗り気ではない。
そうした噂が広まって、いろいろと厄介な状況になりましたが、結局は落ち着くところに落ち着いたかな、という感じですね。