
「正直は必ずしも美徳とは限らないのよ」
「相手の為を思う諫言は、得てして耳に痛いものです」
追憶編とあるように、過去のエピソードですね。
中学生にしてはだいぶ幼く見えたけど…仕様?
達也が昔はもっと不器用だったのか、と思いながら楽しみました。
前回の騒動をきっかけとして、四葉真夜に呼び出された達也と深雪。
昔を懐かしんで思い出す、という演出で、現在のシーンと過去のシーンが交互に進行していきます。
シスコンとブラコンな二人ですが、昔はもっと距離に悩んでいる時期があったんですねー。
まぁ、悩んでいるのは一方的に深雪ですけど。
うまく表現できていないだけで、当時からブラコン気質なのは変わっていないんですが。
達也たちの母親や、四葉の当主が登場したりするわけですが・・・
いい感じに壊れていますねこの人たち、という感じがして、もうおっかない。
そもそも達也や深雪に慕ってかなりの戦力なわけですから、この一族本当に怖い。
達也の異能は、真夜の魔法に対して相性がいい。
そのため、現当主を打倒することは可能だろう、と真夜自身が認めていますね。
達也は四葉を裏切れても、深雪を裏切れない。一方で深雪は、課せられた責務から逃げられない。
と、そうやって分析して、深雪を次期党首にするために策を巡らせているようですが、さて。
水波が出てきたところであった「――決裂も衝突もあり得ないのだと、今の彼には知る由も無かった」という一文が不穏だなぁ。
本編が終わった後に「アンタッチャブル―西暦二〇六二年の悪夢―」が収録されています。
過去の四葉のエピソードは、確かに触れたくなくなるなぁ、といった感じで納得。
前当主がかなりまっとうな人だったように感じます。
ここから壊れ始めてしまったのだ、というべきイベントか。
しかし30人の犠牲を持って、四千の敵、多くの情報を破壊しつくしたっていうのは、恐ろしい以外の何物でもない。