「探偵冥利に尽きるというものだ」
文豪がイケメン化して異能力バトル、がコンセプトの文豪ストレイドッグスの外伝。
今回は、現代の作家である綾辻行人、京極夏彦、辻村深月と豪華なメンバーをキャラクター化させて原案の朝霧カフカが小説家しています。
各作家さんからの推薦文も帯には入っていましたね。
殺人探偵・綾辻行人。異能課所属のエージェントで綾辻の監視役の辻村深月。
そして多くの人を焚き付け、知識を与え犯罪に導くが、自分の手を汚さぬ黒幕、京極夏彦。
この中で何がひどいって「殺人事件の犯人を見抜くと犯人が必ず事故死する」という綾辻の異能でしょう。
発動したら回避不能の因果を縛る異能。事件を起こした犯人にしか使えないという限定的な異能ですが……
限定されているだけに、逃れようがないというあたりが恐ろしいなぁ。
事件の真相を見抜く観察眼と知識もしっかり持っているので、的確に犯人を見つけてしまうあたり、異能課もかなり扱いには困ってるんだろうなぁ。
実際、定期的に「危険だから処分するべき」という議案が出されているそうですし。
殺人探偵と呼ばれる綾辻に教唆した犯人を仕掛けて楽しんでいる黒幕の京極夏彦も中々いい感じでした。
悪役としての迫力がちゃんとあった、といいますか。自身の異能と知識をよく把握し、それを十全に使いこなしている。……使いこなして犯罪教唆するんだから、殺人探偵とどっちが厄介か、って話なんですけど。
その二人の対決に巻き込まれ、振り回されるエージェント辻村。
彼女は異能を制御出来ていない状態で。……それが伏線になっているとは思いませんでしたねぇ。
京極の仕込みだろう内通者の存在については割とすぐにわかったんですけど。配役的にこの人が適しているなぁ、というだけの話ではありましたが。
それぞれのキャラクターが上手くかみ合って物語が回っている感じがして、良かったです。