「(略)これを機会に『幸せの有り方』について、ちょっと考えてみて欲しいんだ」
この学校には秘密がある。
一部の生徒には刻印が浮かび、特殊な能力を使う事が出いるようになる。
在学している僅かな間だけ発現する異能。
でもそれは、嘘を見破るとか記憶力が良くなる(忘れなくなる)とかそういった方向で生じていて。異能バトル的に炎を出したりとか直接的に害をなす能力は多くないようです。
使い方によって悪用できる能力ってのはありましたが。
最もその能力は、使い手の望んだものではないんですよね。
例えば、主人公は元詐欺師でその行いを悔い、陥れるための嘘を封じた。
けれど、彼が得たのは「他人に自らの姿を偽ってみせる」という幻惑の能力。
もう詐欺師は廃業したのに。騙すための能力を得てしまって、心の傷を刺激される。
前任の魔術師なんかも、イケメンだったけど「自分の顔しか見ず、内面は見ない」という悩みを抱えていて「見つめた相手を惚れさせる」という魔法を得たそうですし。
当人にとって重荷に感じる形で魔法は現れて。
傷がまだ癒えていないのだ、と目をそらすことすらできない。重い荷を背負ってしまい、つぶれる可能性すらある。
けど、傷ついても壁を乗り越えて進んでいくことだって、できる。
さらに言えば、傷ついた者同士であっても隣にいて、先を見ることは出来るのだと。そういうお話。
今回は、翔馬と氷華梨の二人がメインで話が進んでいきましたが、他のアルカナ使いたちも魔法を持っているわけで。どういう過去でそうした魔法となったのかは気になりますね。
「絶対忘れない」魔法を持っているヒノエ先輩なんかは、逆説的に「忘れてしまいたいことがある」って事でしょうし。