「誰もが満足のいく道を生きるわけじゃない」
「お雨に用意された選択肢の中に望むものはないだろう」
「そのどれもが分かり切った終わりしか与えてくれないとしても」
「お前は自分で決めるんだ」
(略)
「目を開けて最後まで生きろ 命の価値は自分で探すんだ」
今回は後ろ半分が中編「プリンセス・バタフライの冒険」となってます。
イリとリジーたちが巻き込まれた騒動の話。
まだカシムがいて、平穏だったと言える時のエピソード。
これは同人誌版の入手に失敗してたので、今回収録されて嬉しかったですねぇ。
商業コミック化に当たってコミックリュウで連載された短編は、キドウがマリオに拾われるまでの経緯。
負傷してるとはいえ、極東の駆除屋として働いていてキドウをあしらうとかマリオおっかないわ……
そして本編は今回は2話収録とちょっと少な目ですが、内容は十分濃密です。
E05を得る為に総監の配下が動いて。けれど、それで容易く折れるような輩はこの時代に生き残っていなくて。
それぞれに譲れない理由や誇りがあって、戦う道を選んだ者達。
今回収録の話は気に入ってるシーンがいくつもあるんですよね。
「帰りたくなったらいつでも帰ってくるのよ」と送り出してくれたマリオとキドウのやりとりとか。
「これで『願いが叶いますように』ってオレたちは祈ることが出来るんだ」とリジーたちは戦えないながらに願いを託すところとか。
キドウが、先が見えないと知りながら虫籠に踏み込んでいった所、最後アハトが研究者たちへ啖呵を切るところなどいい場面がたくさんあります。
かなり切羽詰まってますが、だからこそ読んでいて引き込まれますよね。