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「……美春お姉ちゃんは強いね」

「弱いよ。亜紀ちゃん達がいなかったら、生きていけないもん」

 

3巻までは加筆修正といった感じでしたが。

この4巻で、WEBとは違う方向に大きく舵が切られましたね。

両親の故郷を出立し、精霊の民の里へ立ち寄ったリオ。

そこから、シュトラール地方へと向かう所で、六つの光の柱が立つという奇怪な現象を目にして。

同時に聞こえた声に導かれるように、彼は、前世の天川春人の想い人と出会う。

 

WEB版だとここで、三人を保護し、セリアに会いに行って、アイシアが目覚める流れですが。

セリアに会いに行く部分が無くなってますね。5巻の内容がセリア寄りになっているようで、今回は三人とリオの交流が中心の展開。

街に立ち寄ることもほとんどせず、まさかの精霊の民に助力を請うルートへ入りそうですね。

 

いや、確かに知識・技術的に彼らの協力得られるならそれに越したことはないですが。

WEBだとアイシアが目覚めて以降、里に寄ってませんから彼女とあったドリュアスがどんな反応するのかが楽しみではあります。

一方で、不安も募ります。

リオの、精霊の民の事情を、三人はどこまで隠すことが出来るのか。

勇者として兄弟や学校の先輩という親しい間柄の人物が召喚されているようで、どうしたってそれに巻き込まれていきますからね。

王侯貴族にリオの価値に気付かれると、かなり面倒な展開になりそうです。彼単品でも一級品なのに、精霊の民たちの存在まで加わると……怖い。

 

ただ、リオが美春と言葉を交わしている場面とかは、何となく安心します。

この平和な時間が長く続けばいいのに、と願わずにいられない程。

リオはかなり険しい道を超えてきてますから、こういう安らぎがもっと与えられて欲しいと思うんですがね。

彼自身が、目標を定めてしまっているからなぁ。コレはコレで不安になる要素です。

まぁ、色々言いましたが今回も十分面白かったです。展開が変わったことで、WEBとは違う情報も出てきそうですし、今から5巻が楽しみですね。