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「いらっしゃいませ!」
猫猫の元気な声に、おののくのは壬氏だった。その後ろでは、なにがあったと言わんばかりにあんぐりと口を開けた高順がいた。
「おっ、おい、どうした?」
「小猫、今いるのは壬氏さまですが人違いではありませんか?」
前回の騒動から時は流れ。
猫猫は古巣に戻り、壬氏も皇弟として職務につくようになって。
まぁ、距離が出来ようと紡いだ縁までなくなるわけではなく。
むこうから話が持ってこられて、相談役としていい感じにこき使われているような。
厄介事の種を見つけて、訪問の際に律儀に報告している猫猫も猫猫ですがね。
しかし火のない所に煙は立たぬと言いますが。この国、燻ってる物多すぎじゃなかろうか。
長く続けばそれだけ歪みって言うのは出てくるものですし、他国のつながりを描くなら間諜だっているでしょうけど。
暗躍している勢力が多すぎて、いつか喉元に刃突き立てられそうで怖いなぁ。
蝗害が起きるかもしれない、という前振り。
仙術を使うと噂された白子の美女が属する一団についての話。
西方に赴くことになり、その道中で立ち寄った紙づくりの村では、所有権をめぐる争いが起きてましたし。
辿り着いた都では都で、なんか不穏な出来事が起きてますし。
そんな中でついに、壬氏が距離を詰めていましたが。猫猫が、自分の感情で反応するのではなく。妓楼育ちの反射で答えているあたり、ちょっと拙速なんじゃないかと心配にはなります。