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「……来たか、ファレーナ」

「うん。どうしたの? ぼくをよんでさ。そんなにおいしそうなにおいをさせてると……」

――食べちゃうよ?

(略)

「新たな契約を、俺はお前に望む」

 

未来の知識を駆使して、魔法学院へ進学したジョン。

ジョンの生きた世界線においては、人類が滅亡の危機に瀕したこともあって、一丸となり協力することが出来ていましたが。

現時点では、その脅威がないため意識が変革しているはずもなく。貴族と平民のトラブルが起こって。

 

ジョンは、根本的に不器用だと思いますがね。もう少し事情を誰かに討ち明けてフォローしてくれる人を早めに増やしたほうがいいと思う。

未来において行われた実験の副産物。前世において契約していた、人の魂を対価として力を与えてくれる。

最も、しっかり契約しないことには、助力してくれるから相手次第。しかし、契約したら死後の魂はすべて彼らのモノになる。

……悪魔との契約、みたいなものですね。こういう手を使わなくてはならない程、追い込まれていたんだなぁ。

 

巻末の番外編は、ナコルルが表舞台に出てくるまでのエピソード。

ジョンの父親、アレンが動いたことによって、魔術学院の院長となった彼女ですが。

元々は、学院と関係が深い魔術ギルドから追放された木っ端学者。苦労はあったようです。

ただ、上手いことまとめて今ではいい関係を築いているっていうんだから、流石というか。

未来において英雄の一人となっただけの事はある高スペック……

ここまで引き込んでるんだから、ナコルルに事情を打ち明けてみてもいいような。

 

平兵士は過去を夢見る〈2〉
丘野 優
アルファポリス
2014-06