「幸せだわ。旦那様がワタシの旦那様で、本当に幸せ……ありがとう、旦那様。私、嬉しくて死んでしまいそうよ」
「……死んだら、僕が困る」
過去に会ったゴタゴタで没落した貴族、リノフリード。
国王から前魔王の娘を妻として迎えるならば援助を約束する、と言われて。
魔王から力持つ魔獣との契約を引き継いでいた少女は……けれど、魔王の娘として長く拘束されていたのが信じられない程純粋な子で。
彼女を迎えてから、色々なことがいい方向に転がりだして。
……多少荒事とか面倒事とかもやってきてはいるんですけどね。
リノは魔法を使い、薬を作る魔法薬学を修めていて。
それに使う植物を館の庭で栽培などもしています。
妖精たちが集う庭、と表現するとなんか神秘的な感じがしますか。実際は悪戯をされたりして大変みたいですけどね。
妖精が拉致される事件なんて言うのが進行しているようだ……と調査を始めたりもしています。
1巻では真相が明らかにはならないので、次回以降の伏線なんですが。
没落してもなお、失われなかった縁というものをリノは持っていて。あちこちの人に心配されたり、妻を迎えたことを歓迎されたりしています。
リノの妻となったベルルが可愛いし、それに振り回されているリノも幸せそうなので爆ぜろとか言いたくなる感じで和みます。