「ベルル……愛しているよ。僕は今、心から愛しているのは君だけだ。信じてくれ……っ」
拉致された妖精は、ゼリー状に加工されてしまっていて。
この世界における妖精は、自然の意志。
本来妖精たちによってもたらされるべき恩恵を、意志という部分を排除することによって、自由に利用できるようにしたアイテム。
リノは、このゼリーを妖精の姿へ戻す方法がないか調べることに。
没落貴族だったリノが正式な辞令を受けて、リーダーとして動くようになるんだから、世の中分からんというか。
まぁ彼は自分自身の評価低いけれど。周囲はそう見ていなかった。それが正しく評価されるようになった、というのはいいですね。
おまけに妻ベルルは妖精の申し子という、妖精たちに慕われる存在でもあるので、彼女もリノの力になれるわけで。
没落したため破談になった婚約者と気まずい再会をしたり。
リノの家の資料を持ち逃げして、評判を落としているギルバットに絡まれたり。
更には魔王が管理しているはずの、魔界と道を繋ぐ「ゲート」が現れたりと厄介事も前回以上に押し寄せてくるわけですが。
旧魔王は大魔獣との契約を娘以外にも、分け与えたり、指示を遺していたりしたようで。
やはり魔王の存在と、ベルルの過去は重要な鍵になるのでしょうか。