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「だからそちらを選べというの? でも、もし失敗したら? もし、無理だといわれたら? 私はどうすればいいのよ……」
「その時は……」
弱弱しく呟く宇美に不動は、表情を柔らかくして優しげな微笑みを向けた。
「一緒に世界をぶっ壊そう。一人で壊すのが無理だっていうのなら、俺も手伝ってやるよ。少なくともお前をいじめていた研究所くらいぶっ壊すことならできるだろ」 


シリーズ完結巻。
前回の茶番じみた展開よりはまだ良い展開で、最後多少取り戻したかなーという感じ。
2巻の最期で明らかになった敵、伊邪那美。
彼女はヒナの秘密を明らかにして、都市を混乱に陥れ、孤立無援に近い状態へと陥れる。
満月や明花を攫って、伊邪那美は旧環境制御塔へと向かう。
彼女を負おうとした二人の元に、十二支の宇美が立ちはだかって。

宇美、ふざけた格好しているけど強かったんですね。
いや前回もちゃんと敵倒してましたけど、というかこれは逆に、相手の心情を理解して、全力でぶつかり勝利をもぎ取った不動の方が本当に学生なのかよ、とツッコむべきところか。
前回ヘタレていたとは思えないほどの主人公力で、一直線。
あちこちでヒロインがマッハで攻略されてましたが、どーなんだろうなぁ。

瑠璃の兄で、陰陽徒のトップである村正に助力を願い、体制を立て直す。
他にも担任の教師やら、友人の翔真やら、伊弉諾すら引っ張り出して、道を作る。
そうしてたどり着いた先で、二人は、自分たちの信じる者の為に、敵が待つ場所へと乗り込む。
満月利用した罠にはめられて足止め食らったりするんですけどね。
それでも最後には、臨んだ結果を引き寄せたんだから、流石主役ども、といいますか。
無事に完結して、とりあえずの問題を片づけたという意味ではそれなりの終わりだったんではないかと。