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「ふざけるな! ……何も悪いことをしていないのに死ぬべきなんて……そんな運命を許しちゃいけない! ロッテが死ななきゃいけないなんて……行くな!」
(略)
「他人の表情なんて窺わなくていい、自分が幸福になってもいいかなんて疑わなくてもいい! そんな不安や黒い影から――俺が絶対に守ってやる!」


一樹は美桜と共に、校外クエストを受けています。
ただうまく連携できていなかったり、踏み込み切れていなかったりと、失敗しているようですけど。
失敗しすぎて、一度美桜のランクを落とすしかないか、みたいな話も出てきますが、その辺はなんとか乗り切りました。
小雪はなんだかんだで良い子ですよね。

まぁ、そうやってある程度は平穏な日常を過ごしているわけですが。
転入生がやってきて一樹たちのパーティーに加わった事から状況は変化していく。
そもそも、エニグマが浮かんだ時点で進路が決まるこの学校に、転入生なんてものはありえない。
そのありえないものが起きたからには、いろいろと事情があるわけで。

日本はソロモン72柱の魔神の力を借りて、違法契約者とかに対応していますが。
他の国はそれぞれの宗派に属する神魔の力を借りています。
これは信仰心がすなわち力につながるからだそうで、異教の神と契約したものはすべからく排除される運命にあるとか。
宗教国家と化していく中で、他国との交流が断絶していったようですね。
火種を好んで抱え込みたい人もいないというか、うっかり国の上層部に他国の宗派の神様と契約するものが出てきたら、厄介なわけで。面倒事をシャットアウトする面もあるんでしょう。
最終的に、敵対国家を滅ぼして唯一の宗教を作ろうとか言い出しそうでおっかない部分ありますね。
ただ、日本はそもそもが異国の神魔と手を組んでいるわけで、そうした相手が逃げ込む余地やら、他国と同盟を結べる可能性っていうのを持っているようです。
一国と同盟結んだら他の全てが敵に回るから、立ち位置が難しいみたいですが。

しかしまぁ、この世界の大人たちは腐ってますね。
一樹が王の可能性をもっているとしても、今更十五の子供に、これまでの権益を渡せるはずがない。
だから、事のついでに排除してしまおうと動く。
今回明らかになったレメの能力。志を同じくするならば、他宗の神でも力を借りられる。
王の力は恐ろしいですね。これ、攻略を進めていったら敵なしって言いませんか。
大人たちの策謀に嵌められて、撤退するしかなった一樹たち。
どうかあの腐った連中に痛い目見せてほしいものですが。

魔技科の剣士と召喚魔王<ヴァシレウス>2 (MF文庫J)
三原みつき
メディアファクトリー
2013-07-24