そして大友は、ゼンタローを目にした瞬間、脳に稲妻が走るように、これしかないという起死回生の策が閃いた。
運頼りの策だ。そして、非常の策でもあった。だが、真の呪術者とは、自分自身を含めた万物に対し、情を捨てて接する者なのだ。
レイヴンズの世界でも、トップクラスの重要人物たち『十二神将』。
新旧含む14名に焦点を当てた短編集です。
最もメインは『黒子』時代の大友の活躍と、『神童』鈴鹿の話でこの二つが中編、残り12編は掌編という形で本当に断片みたいなエピソードなんですよね。
『黒子』と『神童』の中編アニメDVDの特典として書かれていたものが再録された形になるようで。
特典分を追い切れていなかった身としてはありがたい一冊です。
鈴鹿のエピソードは、彼女が十二神将になった当時のエピソード。
広告塔になるまでの流れとかは天海さんさすがと笑った。
大連寺の娘として、嫌でも注目を集める彼女を引っ張り出して、外だけではなく内向きに彼女がどういう人間か知らせるという目的もあるとか。
一手にいろんな意味を持たせるあたり、油断ならない手合いですよねホント。
大友のエピソードは、『黒子』時代に法師と接触したときの話。
彼がいかにして足を失ったのかという話でもありましたが。
……ホント窮地であっても冷静ですね。冷静すぎるくらいに。
『黒子』と呼ばれ恐れられたというのもなるほどと納得できるほど。
他の十二神将も魅力的なキャラ多いので掌編だけでなく短編くらいのボリュームで何かエピソード読んでみたいなぁ、と思う感じでした。
そんなの書いてたらいつまでたっても本編に収拾付かなくなってしまいそうですけどねー。
本来なら15巻を先に出す予定だったようですが、諸々の兼ね合いからコチラが先に出たとのこと。もう少し時間がかかりそうとのことでしたが、今から楽しみですねぇ。