「いいえ。ですが、今の話と関係のある者です。何しろヤツは近隣の人里を次々と歩き回って、見かけた女性全て――少女から老婆まで見境なく木の枝で斬りかかったのです。一七〇人目でとうとう剣を避けられ、それが聖ラファエロだった……という見つけ方をした、というド阿呆ですから!」
まぁ、打ち込みはすべて寸止めで、怪我人を出さなかったことだけは称賛に値しますが。
8巻は短編集。
護堂のはとこがやってきて「東京にいる恐怖の魔王を説得したいから手伝って」と頼まれる話。
……相談する相手が悪かったなぁ。その魔王本人ですよ、彼。
いやまぁ、下手にカンピオーネの情報を探っている危険人物として、ちょっかい出されなかったのはその魔王様本人がいたからって面もあるんですが。
エリカとリリアナの過去のエピソード。
正式に騎士として叙勲され、ある祝福を得る為に修道院を訪れた二人。
偉大な先人にならい、優れた武具を得たいと試練を望んだエリカと、巻き込まれたリリアナの話。
そして、迷惑な王様の話でもありました。人探しをする、その方法が荒っぽすぎる……
後は、プリンセス・アリスとカンピオーネの一角であるアレクの挑んだ事件について。
最もアレクはカンピオーネの名に恥じないトラブルメーカーなんですが。
興味半分の調査という軽い気持ちで出かけたら神様と戦う羽目になってますし。……準備が不十分でも勝利してしまうあたり流石魔王。
おまけで護堂が霊薬を飲んで不思議な夢を見るエピソードもありましたが。
……吹っ切れたら護堂はあそこまで至るのか、と思うと爆ぜろとか思いますね。一度や二度爆ぜたくらいじゃ死にませんけどねぇ。