
「まだ何も始まっていないじゃないか! 敵の姿も見えていないうちから、どうして犠牲者が必要なんて言えるんだ! 何も犠牲にせずに繁栄を勝ち取れる戦いにどうして挑戦しない! お前は自分が安全圏にいられる権力があるから、努力や戦いを放棄して安易に犠牲者を生み出すやり方を選んだんだ! だけどそんなやり方じゃ仲間からも、ソロモン72柱からも、信頼が得られるはずがない。もしも俺が王だというなら……おれはみんなと一緒に戦う王になる」
ロッテと契約している神魔、プロメテウスの呪文を使ったことで、異端と認定され追われることになった一樹。
まぁ、それは若い王を認めたくない大人たちの画策によるものなんですが。
魔技科を追われ、ひとまず剣技科に匿われる。
しかし、剣技科も完全な味方というわけではなく、これを機に魔技科に対して下剋上を企て、一樹たちを監禁する。
もうあちこちばらばらで、これ王として独立したほうが手っ取り早いんじゃないかとか思えてきますが。
とりあえず、暗躍していた大人を排除して、平穏を取り戻せたか、という感じ。
まだ火種ありそうですがね。
剣技科の中にいた、日本神話の神との契約者、一羽。
彼女と契約しているフツヌシノカミは、身体をのっとるといったことに興味はないと言い放ち、力を与える契約をしている。
それは、ソロモン72柱と同じ。
一樹は、プロメテウスを見たこともあり、ソロモン72柱以外は異端として問答無用で排除するのは間違いなんじゃないか、と考えたりしています。
他にも、使用が制限されていた神器もかなり優秀な武器であるようで。
かなり対応が悪いというか、当初、剣技科と魔技科の中が最悪だったように、力をそぎ落としたい勢力がいるんじゃないかなぁ、と思えてくる。
ソロモン72柱を信用できないというフツヌシノカミ。
彼は、学園内でなにやら不穏な実験が行われているらしいと語り、それにソロモン72柱がかかわっているのではないかと疑っていた。
その疑いを晴らし、今置かれている状況を改善するために、一樹たちは秘密の実験場へと踏み込む。
表紙にもいる小雪がメインだったかなー。
エルフにまつわる話だとか、これまで距離を取っていたのがデレたりしてますし。
まさかクトゥルフ神話が出てくるとは思いませんでしたが。
人間に理解できる神魔のみが力を持つ。そのため、『人間には理解不能であること』が本質のクトゥルフ神話は歪み、ただ一体の神魔しか行動できずにいた。
だから、暗躍し利用し、最後に勝者となる策を練っていた。
毎回思いますが、この作品の政府とか権力者とか大分歪んでますけど、大丈夫なのかなぁ。
あとは、順調に王としてヒロインの攻略を進めていますが。
爆発しろ、というのも今更な感があるなぁ。ご自由にどうぞとか言いたい。
大人たちがダメすぎるから、多少青いところがあっても、歪んでない一樹に王になってもらいたいものです。