「はい。あの夜、印刷しているとき、祖父のことをいろいろ思い出しました。『印刷とはあとを残す行為。活字が実体で、印刷された文字が影。ふつうならそうだけど、印刷ではちがう。実体の方が影なんだ』って」
古びた印刷所「三日月堂」。
そこでは昔ながらの活版印刷を行っていて。
元々は店主の祖父が経営していた印刷所で、亡くなっていらいそのままだった。
活字が合金のため処分が難しく、そのままになっていて。
ある事情から、そこへ戻ってきた孫娘の弓子が、知人の依頼を受けて活版印刷を再度行う事に。
言葉一つ一つを大事にしている、と言いますか。
知識としては知っていましたが、こうして描かれるとまた違った趣があります。
章ごとの扉に活字などの道具の写真が置かれているのもにくい演出だと思います。
冒頭の「世界は森」では母から子へ送られるレターセット。
「八月のコースター」では、叔父から喫茶店を継いだ青年が新たに作り出したコースター。
学校でのワークショップなども行っていました。
誰もが、何かを求めていて。店主との相談しながら「これだ」と思える作品と出会う。
![([ほ]4-1)活版印刷三日月堂 (ポプラ文庫)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51abOTNLlTL._SL160_.jpg)