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エイハ 忌ブキの友達から、さっき一杯のスープを貰ったの。とても美味しかったわ。幸せの味だと思った。その一杯だけで、忌ブキは幸せに生きていけると思う。自由のために戦って死ぬことが、そんなに素晴らしいことだとはどうしても思えない。
FM(阿ギト) 「そうかもしれねえ。自由のために死ぬなんて言うのは本末転倒かもしれん。だけど、俺は別の生き方を知らん。ほかの死に方なんてもっと知らん」


TRPGの技法を用いて作られたRPF。
ロールプレイング・フィクションという新しい遊び。
たった五人、たった六夜のためだけに作られたシステムや世界観。
これだけの量のデータをよくも作ったもので・・・ここまで来るとなんて言っていいかわからないですよね。
後書きにあるハジマリにある通り。最高に「遊んで」る作品。

――最高のゲームをしよう、といいました。
――最高の物語(フィクション)を遊ぼう、と話しました。


リプレイでいえばGMに当たるフィクションマスター(FM)に、三田誠。
プレイヤーには、虚淵弦、奈須きのこ、紅玉いづき、しまどりる、成田良悟といずれも劣らぬクリエイターが集結。
これで面白くなかったら嘘ですよね、という感じですけど。
最終話の更新を前に読み返しているので、感想書いてますが。
読み直しであってなお輝きが劣っていないっていうのはすごいなぁ。
最新話当たりまで読んでいると、本当にこのあたりは平和だったと思うことしきりですが。 

巨大国家ドナティアと黄爛。
その狭間に位置する島国、ニル・カムイ。
守護神ともいえる存在、赤の竜が狂い猛威を振るうようになった島。
それぞれの国がそれぞれの思惑を以て、赤の竜に対抗する調査隊を結成することとなる。

虚淵さんに暗殺者とかやらせちゃダメでしょ!? って思いますが、すごく隠密ロールが生き生きしてます。
NPC見つけて、代理人やらせようとか、単身先行して潜入作戦決行したりとか。
すごく、暗殺者です・・・

奈須さんのスアローも、呪いを背負っているから、いい感じに壊れてるよなぁ。
壊れているというか、ゆがんでいるというか。
それに付き従うメリルも大変です。

紅玉さんのエィハも、つながれものという寿命の短い自分について達観してるというか、独特の価値観を持っていますし。忌ブキはニル・カムイにおける重要な存在である皇統種ですし。
二人は、島に関係するものとして、革命軍とのつながりをもったりするわけですが。
本当に、あちこちの思惑が入り乱れていて、たまりませんね。

FMも容赦ないというか、オープニングからキャラが死亡するとかどういうことなの。
イベント仕様なんで復活するんですけどね。ただ、後々明らかになる判定の恐ろしさよ・・・
失敗していたら本当にどうするつもりだったんだろう。
いったいいくつのルールが、どれだけの選択肢が使用されずに封印されていったのか、すごく気になりますね・・・