「俺の負けと?」
「ええ。私の勝ちです」
「それで死んでもか?」
「私が死んでも」
カンデラを脱出した雫たちですが……
城に満ちていた禁呪の瘴気の影響で、転移陣が汚染されて座標指定が狂っていたとか。
ファルサスを通り越して、大陸の西側まで飛んでしまって。
……まぁ、それ以上ずれてたら海の真ん中とかになっていたので、陸地に富んだ分だけ運が良かったとみるべきですが。
辿り着いた先で、死んでいるのに動く……ゾンビ状態の馬と遭遇したり、変わった少女とその保護者と遭遇したりもしていましたが。
WEBで別作品読んでいるとこの辺りで既にニヤニヤ出来ると言いますか、不思議な二人組のイラストつかなかったのは少し残念だなぁ、とか思ったりしました。
縁があって、なんとかファルサスまでたどり着き……エリクの伝手とかも使い王と謁見することも叶いましたが。
王は雫の事情を聴くと、「務め」として排除しようとして。彼女は一度はその場を逃れますが……
その後、自分で王の前に立つんですよね。王を呼びつけて、矜持を以て、彼に傷をつけようとした。
雫の怖い所はここですよね。怖いと思いながら、悔しいと思いながら、それでも目を逸らさずに、行動することが出来る。
彼女自身の譲れぬ誇りが確かに合って、だからこそ、彼女は今もこの世界を生き抜いている。
「理性を持たない人間は動物か?」
「自ら理性を退けるなら。少なくとも、人ではありませんね」
とか、言えてしまうあたり彼女もスペック高いというか。この彼女を埋もれさせる姉と妹とは一体……
エリクと一緒に行動していた積み重ねも影響しているとは思いますがね。
そして彼女は、この世界に来た時のように、色々と事件に巻き込まれていって。
ファルサスですら事件の渦中に居ようとは。それで生き残ってるんだから彼女もタフだよなぁ。
この世界に広がっている言語障害の話が最後出てきて、「思い違い」にエリクも雫も驚きを隠せない様子でしたが……
ここで他の勢力が動いて、雫拉致するんだから、彼女も大変だ……
後書きで次はいつ頃刊行できるか分からないとありますが、単に作業のペースの問題ならいいですが、打ち切りとかになるととても悲しいんですが……ぜひ完結まで続いてほしいものです。