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「諦める必要なんて、ねぇよな……」

(略)

「奪われたのなら……取り戻せばいい」

 

デイルと結ばれたラティナ。

彼女は、魔王としての力を望みデイルとの絆を強固なものとしましたが。

「八の魔王」に課せられた宿命によって、他の魔王たちから敵視される結果となり……封印されてしまう事に。

 

それでデイルが黙っているはずもなく。ラティナを取り戻すために、ありとあらゆる手を使って、戦いに望むことに。

ラティナと出会う前の状況よりも、危うかったかもしれない。

縋る物があるからこそ良かったけれど、無かったから魔王以前にデイルが世界に害をなしていたかも知れないというあたり、おっかなくて仕方ない。

 

二の魔王という悪辣の輩が印象に残っていましたが。

魔族総て、魔王すべてが悪なわけではなく。デイルは、自分の大切なものの為に、それ以外を切り捨てて言ったわけで。

タイトル通りうちの娘の為に、魔王を倒してのけたデイルのスペックの高さよ。

……ラティナ取り戻した後はその高スペックをすべてラティナの為に注いでいるあたり残念勇者でしたが。

 

まぁ、事情を知らない人々からすれば、活性化して災害を振りまいた魔王を打倒した勇者という存在は、希望の象徴になったことでしょうが。

実際、「勇者と妖精姫の物語」なんて英雄譚が生まれるぐらいには、活躍していた。

肝心のデイルはそのあたりの評価に全く興味なく、取り戻すためにまっすぐ突き進んでいきましたが。

意固地になりすぎていて、最短ルートは逃しましたよね。どこかで「虎猫亭」に寄っていたらもうちょっと状況変わっただろうに……