「ただ、せっかく生きているのだから」
(略)
「せめてその生は幸せでありたいものだな」
「情報材」や「電子葉」の開発により、情報化が進んだ社会。
特に電子葉は移植が義務付けられるようになったため、容易く検索などが出来るようになった。
わりと読みやすいライトなSFだと思いましたよ。SFそのものを数読んでるわけではないんですが。
主人公は、情報庁で働く官僚。ある時、恩師が残したコードの中に暗号を見つけて。
物語的にはそこから動き出した、と言うべきなんでしょうが。
その暗号は「14年前」に仕込まれた者で。そこに至るまでの道もある意味では既定路線ではあったわけですが。
14年前に失踪した恩師、残された暗号、託された者。
そこから巻き起こる数々の騒動と、最後に導かれた答え。
物語の本筋にはほとんど関与してないけど、三縞副審議官がいいキャラしていて好きです。
連レルの「僕が触れたら、きっと汚れる」。汚れたらもう落とせない「だから最初から触っちゃいけない」という彼女の評価とか。二人の距離感が割と好みでありました。
恩師に託された、この物語のもう一人の主役である少女知ルは……
独特過ぎて、評価しがたい。いや、嫌いじゃないんですけどね。
遠すぎて理解できる範疇にないので怖い、というのがまだ正確かな。
実際目的の為には危険に飛び込むことも厭わないわけで。……スペック高いから、並大抵の危機じゃ危機として機能しないって言うのもあると思いますが。